社会人の読書感想文

読んだり聞いたりした本の感想などを自由にかいてます。

神去なあなあ日常&神去なあなあ夜話

 

【読書動機】

林業は東京で暮らしているとなかなか触れることのない職業である。その林業と、田舎の暮らしを、都会の若者がすることになる、という新しい展開に興味をひかれた。

三浦しをん先生の作品だったということも大きい。

 

【感想】

〇なあなあ日常

都会で生きてきた主人公が、林業に携わりながら自然と共に暮らす人々の日常を体験し、成長していく物語。

神去村では、山や自然への畏敬をもちながら、なあなあ、という中庸な言葉や考えを持った暮らしがある。

主人公は、個性豊かな登場人物と、林業という自然と共にある仕事をする事で、初めは戸惑いつまらないと感じていた生活に、良さを見出していく。そして林業にやりがいを感じつつ恋も仕事も頑張っていく。

古き良き、と言っていいのかわからないが、村には昔の日本を感じさせる雰囲気があり、一生懸命に、でも「なあなあ」と言いながら自然や神に感謝して生きていく文化が懐かしく描かれている。

 

基本的にはコミカルなやり取りなので、楽しく読めるのもみそ!

 

時には自然に命の大切さや、人間も自然の一部であるということも教えてもらう祭事等もあり、現代が包み隠している生や死や生き物としての役割を思い起こさせてくれる物語だった。

 

〇なあなあ夜話

前回の続編である。

前回と同様に、主人公が書き手となって語りかける口調もとても親しみやすいので、読みやすく私もその場で体験しているような気持ちになった。笑

神去村のメンバーは相変わらずみんな「なあなあ」な人たちが多くて、読んでいて心が癒される。神去村の自然や四季を感じさせる描写が、読んでいてもイメージしやすく、とても爽やかでそちらにも癒された。

村の成り立ちや昔話、またヨキや清一さんの過去についても明かされる場面もあり、今回は、より村の歴史や人が掘り下げられたような内容であった。

村の過去の事故については、今のメンバーが明るく人がいい反面、重くつらい出来事で、涙してしまった。。。

 

連綿とつながる、村や人、自然。慣習などでそれを後世にいかしたり残そうとする人たちの営みが、尊く、暖かかった。

 

【まとめ的なもの】

こんなに気持ちよく読めるのは、著者の書く文章の読みやすさもあるけれども、

登場人物たちの清涼さ、適度な「なあなあ」を読み手も感じるからではないだろうか。

壮大な話では無い代わりに、日常の人の生活が詳細に描かれていて、のんびり楽しい生活描写が、優しい気持ちにさせてくれる、ノスタルジックで心温まる作品であった。

またもし続編が出たら読みたいし(出なそうだけど)、先生の作品もまた読んできたいと思う。

 

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