いかがなものか
「いかがなものか」 群ようこ
※長文の感想文をしばらく書いていないので、久々な感じがするのと同時に、ブログの構成を少し変えてみようと思って試みる次第です。
さくらももこさんの「もものかんずめ」を、ハイパー遅ればせながら最近読ませてもらった。
エッセイはあまり読まないジャンルなのだが、(朝井リョウさんのエッセイは面白すぎるエンタメとして全て読んでいる)よく読まれているということに納得する面白さと読みやすさ、またちょっと世の中を皮肉る感じが、私のツボにはまった。
そこで、以前友人に進められた著者の本が、集英社文庫のフェアで平積みされているのをみて、軽い気持ちで手に取ってみた。
読み終わった感想はまず、「わかる〜って感じ。」である。
決して優しくない(?)意見を述べた内容だが、ちゃんとそこに著者の芯がある。
まだ弱った心が回復しきっていない自分(別の記事に書くかも)に、「私はこうである」という自己肯定感、というか、この場合は私はこう考えますけど何か?みたいなどっしりと構えた姿勢が心地よかった。こうありたいとも思った。
具体的なところで言うと「図書館」「不倫」あたりが特に、かゆいところに手が届いた感じがあった。
図書館に関しては、読んだ日に、ちょうど図書館で読みたい本がなかったり、閲覧室の椅子が足りなかったりとがっかりしてきたところだということもあったからかもしれない。
大勢に貸すことを前提とするシステムの施設であるのだから、その本を誰が触ったものかわからないという意味で「汚い」と消毒するのってなんかちょっと違う。
優先順位も違うし、その機械の導入経費があればもっと快適にできるじゃんという意見にも賛成。笑
ついでにサラッと書いてあったクレーマーに過度に謝る姿勢についても共感。これ思ってても口には出せないからなぁ。
不倫の謝罪会見については、もはや幼い頃から不思議で、多分家族や友人にも言い尽くしているし、少なくとも周りの人もそういう認識の人が多いので、一体誰が、なぜ芸能人のスキャンダルに興味があるのか、むしろそっちの感性に興味がある。
そういう統計や調査ってないのだろうか。
文体は優しくないと書いたが、エッセイというジャンルは、かゆいところに手が届く、言葉にしてくれてありがたいといった感じの共感も、一つの魅力なのではと思っている。
そんなこんなで面白いエッセイを今後も探していきたいし、ちょっと魅力にハマりつつある。
もし面白いエッセイがあったらぜひ教えていただきたい。
夏は読書フェアが多いから、たくさん本に出会えて嬉しいなー。