FACTFULNESS
読書動機
感想
今後につながること
読書動機
発売当時、職場の帰り道に大型書店があった。
かなりの広さを有する書店で、よく話題の本が大きなポップとともに平積みされている書店だった。
ちょうど新しい本を探していた私は、そこのポップとかなりの規模の平積み面積に圧倒された。
様々なメディアで取り上げられ、テレビでも紹介されるほど有名だった本であったし、宣伝の仕方も絶妙で、今まで学んでいたことが覆されるだの、今つけておくべき教養などといった文句も、購入のきっかけになった。
普段はめったにこういった教養系の本に手を出さないのだが、書店でかいつまんで見たところ、言葉も難しすぎず読みやすそうという印象もあり、購入することを決めた。
感想
当初の印象としては、自分の知識を更新することが目的の本かと思った。というのも、今の世界の状態(状況)について、一昔前のデータのままと思い込んでいる「知識人」のことが記載され、実際はその考えと異なることがデータとして掲載されているからである。
しかし通して読むと、実際は自分のものの見方や姿勢について気づきを得る本であった。
内容に記載されているので、最新の様々なデータ自体を知ることも可能である。
しかし、そのデータを上書きできない(しない)理由について、人の思考や姿勢の傾向について、思い込みや悲観的・攻撃的な思考といった原因を上げ、そのせいで世界の現状を勘違い・思い込んでしまう危険性について書かれた本であった。
FACTFULNESSは造語であるが、当書を読むことでそれが世界を見る上で必要な注意点であり、先進国の奢りであると実感した。
日本に暮らしている自分だからこそ、気づきが得られる本となっており、データと著者の実体験をうまく交えて、わかりやすく簡潔にまとまった大変読みやすい本であったと思う。
著者のことは、知らなかったのだが、最後は当書完成前になくなったことを知った。
世界の現状を比較体験した貴重な経験を、失敗も含めて発信してくれたことを感謝したいと思った。
今後につながること
感想と重複するが、データや世の中の見方について、注意すべき点を知ったため、例えばメディアの情報を鵜呑みにしない、全体を見る、悲観的で感情的にならない見方をするなど、心がけていきたいと思う。
実際に仕事でメディアの取材を受け、放映を見たときに、そこにはメディアの作り上げたストーリーに沿った内容になっていたことを思い出した。
また、逆に訴えたいものがあるときに、少ない事例を例として上司に説明をしたことがあることも思い出した。(その時はリスクの話だったので、それによって事実が曲解される等の問題はなかったと言い訳をしておきたい。)
そういった思考による作為的(本人がその意図がなくとも)な見せ方について、よく理解し、意識していくことを心に留めておきたいと思った。
当書は書内のデータが古くなったとしてもFACTFULLNESSを思い出し、理解するのに繰り返し読んでいきたいと思える本であった。
この本に出会えたことと、著者に感謝したい。
|