木曜日にはココアを
読書動機
Twitterで見かけることが多く、しかも表紙とタイトル買いという作品。
作者のこともよく知らず、ただ感想に「心が温まる」という雰囲気の事が書いてあったため、最近感動していないこともあり(笑)、読んでみようと手に取った。
感想
短編集でいて、登場人物や世界が繋がっている作品。最後は最初の物語と綿密に関わっていて、喫茶店のお客さんの行動の意味や気持ちを知ることができて感動した。
ここに出てくる登場人物はだれも悪意を持っていない。誰もが相手を思いやり、自分の非を嘆き、葛藤して前に進もうとしている。
すれ違うこともあるが、その際はお互いを思ってこそのすれ違い、というちょっぴり切ないがわかりあえた時は最高にハッピーエンドとなる。
特に好きなのは、「聖者の行進」。主人公と自分が重ねられるところが多くて、感情移入してしまった。昔からの嫉妬心なのか憧れなのか、という部分もありつつも、やはり大切な友人として認め合い、伝え合う二人は本当の友人なのだと思う。
すべての作品は、決して壮大な話ではなく、身近なリアルな人間の人生の一片である。
読んだあとは、感動と幸せを分けてもらった気持ちになった。
そして登場人物たちに感化されて優しい気持ちになる。
とても素敵な本だった。
今後につながること(まとめ的なもの)
本作を読んで、著者が大層気に入ってしまい、著者の作品をたくさん読みたいと思っている。
ちょっと調べただけでも結構な作品があるので、少しづつ読破していきたいし、こんなにも読みたい本が増えたことが嬉しい。
もっと読んで、好きな作家さんの一人として言えるようになりたいと思った。
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